メタセコイア4で面倒なシーム(切れ目)を付けずにUV展開する方法
はじめに
発表当初は中途半端な感じがあったメタセコイア4(以下、メタセコ)ですが最近は機能も充実してきました。特にUV展開はメタセコ3のころは機能不十分な感じがありましたが、今は非常に楽になっています。
そこで、今回はシーム(UVの切れ目)を入れる作業をせずにUV展開する方法をご紹介します。
ある程度UV展開の経験のある方向けの情報になります。ザックリいうとイクサ法(UV焼きこみ)と自動展開を利用した方法になります。
①下準備
では早速この人体モデルを展開してみます。
UVはまだ展開されていません。
まずは下準備として、モデルに使用している材質を複製し適当な材質色にします。
この例では9個複製しました。
展開が終わったら消すので、わかりやすい名称に変えてから複製するとよいです。
次に作った材質色で自分が切り分けたいUVに合わせてモデルを塗り分けます。
これで準備は終わりです。
②UVの焼きこみ
下準備が終ったらUVを焼きこんでいきます。
左上のボタンを「マッピング」モードに切り替えます。
Alt キーを押しながら展開用材質をクリックすると、塗った部分のみ選択状態となります。
この例では青色(展開用4)で塗られた部分のみが選択されています。
F2キーを押してモデルを正面にしたら、
「UV操作」メニューから焼きこみを実行します。
このような感じにUVが焼きこまれます。
なお、モデル表示画面の左上で「選択」を選ぶと現在選択中のUVだけに絞り込むことができます。
同様な操作を先ほどの9材質全てに行います。
背中側などはshiftを押しながらF2キーで背面側のカメラで焼きこむことができます。
「選択」をオフにして、全てのUVを並べてみました。
③UVを縫い合わせしてまとめる
焼きこんだあとはUV島のうち、くっつけたいものを「縫い合わせ」します。
「縫い合わせ」ボタンを押してから、くっつけたい側のUV辺を選んでクリックと辺同士がくっつきますので、これを繰り返して必要な個所をくっつけます。
腕と足をくっつけた所です。この段階ではUVは歪んでいても全然かまいません。
④UVを自動展開する。
必要な個所の縫い合わせが終ったら、次は自動展開です。
「自動展開」ボタンを押して、パネルから「切れ目を選択」ボタンを押し、「現在の切れ目」を選択します。ここが今回のポイントになります。
モデル上に水色のラインで切れ目が自動的に表示されます。
先ほど縫い合わせした黄色と青の境目には切れ目が入っていないこともわかります。
切れ目の状態を確認したら、パネルから自動展開を実行します。
今回はこのような設定でやってみました。
設定した切れ目に合わせて、UVが自動で展開されました。モデル上に格子のテクスチャがきれいに並んでいるのがわかります。
ただし、よくみると股間や足首の辺りのUVが重なってしまっている箇所があります。
これは再度、縫い合わせで調整して自動展開をすることでなおります。
それでもどうしても重なってしまう箇所については、手動で調整するか重ならないような切り分けに変えます。
再度自動展開を実行しました。
このような感じで③~④の操作を繰り返し、好みの展開になるまでやったら、材質をもとに戻して完成です。
頑張ればこのように全身をつないで展開することもできます。
この方法の利点は、材質と焼き込みでザックリとUVを分けてしまうので、従来の自動展開のように切れ目用の辺を細かく選択する必要がまったくないというところです。指の間なと細かい箇所もやり安くなっているかと思います。
また、最終的に自動展開でUVはきれいに並びなおされるので、「縫い合わせ」したあとも頂点を細かく移動して調整する必要もありません。グチャグチャのまま自動展開をかけていけばいいのです。